若年性アルツハイマー病の妻と弥次喜多道中

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zoom RSS 第4回全国交流会(第8回 笹川のつどい) 3

<<   作成日時 : 2010/10/27 20:45   >>

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第4回全国交流会記念講演会より抜粋
    
エピソード・1
いつも一緒に外来に来る若年性アルツハイマー病のお父さんと20代の娘さんの話しです。
実は私の小さい頃から裕福な家庭ではなかったんです。私の幼稚園の時、父にせがんでピアノを買ってもらったそうなんです。とても大切なピアノで本物の弦のついたピアノです。後生大事にこの20年間使ってきて、父がイライラする時なんかは、自分がピアノを弾いてた大切なビアノのなんです。ぼくの診察のある前の日の夕方に、お父さんがピアノにおしっこをかけたんですね。娘さんはピアノを拭いたそうです。拭くんだけれども涙が止まらなくなってしまって、辛くて悲しくて途方に暮れたような気持ちで床も拭いたそうなんです。一生懸命拭くんだけれど、自分の涙がまた落ちて拭いても拭いても濡れている。
そこに父の足が見えたそうです。見上げたら父のズボンの前が濡れていたそうなんです。でも片山の外来に通っているので知っているんです。こんな時こそ、こんな時こそ笑顔でニコッとして、父に「こっちのズボンが似合うよ、お父さん」と声をかければいいのは分かるんだけれども涙が止まらなくて、その日はずーと濡れたまま朝を迎えたんですよと言って泣くんです。
これが家族なんですね。

エピソード・2
若年性アルツハイマー病の母を介護している娘さんの話しです。
自分の母はもう口の中をしっかりと飲み込むことが出来ないんで、刻んで、すり潰して、トロミをつけて、そして母の大好きな味にして口の中に入れるんです。入れると母が飲み込んでくれるかなと思いながら見るそうです。あたりまえですよね。のどの動きを見なさいとテレビでもやっています。見るんですけれど「どうお母さん」モグモグとして「ゴホン」と顔にピシャとかかったそうです。その瞬間に涙が両目から落ちてきて、自分の右手が震えて母のほっぺたをパチッと叩いたと言って僕の外来で泣き続けるんです。
これが家族なんです。
家族が病気でしょうか?虐待でしょうか?違いますよね。
どうやったら笑顔がでるんでしょうか?ご存知でしょうか?家族が笑顔の出る場所、治療できる場所がご存知ですか?世界中に一カ所しかありません。同じ家族同士が集まるつどいです。同じ事を経験した家族同士が集まった時に初めて、その瞬間かもしれません一週間後かもしれませんが、ふーと自分を許せる時がくるんですね。それが集いなんです。家族の会なんです。家族の会を大切にしていかないと、みんな家族の方は自分の罪に苛まれて分からなくなって途方に暮れて一緒に死んでしまうと本当に思うんです。家族の会を地域の人が、みんなで見守ってほしいんです。
    国立病院機構 広島医療センター
    臨床研究部長・認知機能疾患科医長 片山禎夫

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
言葉が出ません。
家族の会も大きくなると、一人ずつ離す時間が短くなります。
どうしたら、一人ずつ満足の行くお話しを聞くことができるのでしょう?
どうしたら笑顔が出るような援助ができるのでしょう?
24日に家族の会をしましたが、新しく来られた娘さんの固い顔が頭から離れません。少しでも穏やかな気持ちになってもらえたらいいんですけど・・・。
坪井英子
URL
2010/10/27 20:59
坪井さんへ
ありがとうございます。
躊躇されて、なかなか集いに出てこられない人も多いですね。出てこれない人は、自分はできない、迷惑がかかると思っている方もいます。
坪井さんが行っているような集いが地域にたくさんできれば変わって行くと思います。穏やかな時間の中で、一緒にお茶を飲むだけでもよいのでしょうね。
本人も家族も元気になってもらいたい願っています。
これからも応援をよろしくお願いします。
のんた2号
2010/10/29 09:54

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